カルシウム旅行記

中国(洛陽・上海)ツアーに医者として添乗(by 空飛ぶドクターさん)

カルシウム
【あっさり初仕事】
2008年9月15日から19日まで、中国本土(洛陽と上海)へのツアーへ行って来ました。ついに添乗医師としての初仕事です! 仕事として、海外旅行に行くのが私の長年の夢でしたが、あっさりと実現しました。ある高校時代の同級生からの紹介です。ほんの一ヶ月前に催された大分市での同窓会で、顔見知り程度の同級生にも宣伝を兼ねて名刺をどんどん配りました。名刺には、職業として海外旅行医師添乗サービスと書いています。それを見て、出発の2週間前になって、電話がありました。ある社長さんが、お得意様招待旅行に一緒に行ってくれる医者を探しているという由で、もちろんすぐに承諾しました。彼女は依頼主の社長さんと家族ぐるみの付き合いのようでした。後で、社長さんから聞くところによると、社長さんは自分の主治医に仕事を休んで一緒にツアーに行ってくれる様に以前に頼んだことがあるけれど、断わられたそうです。当然です。普通の医者にはそんなことはできません。私自身は、この日のために3年前から非常勤医師(フリーター医師とも呼ぶ)になり、長期の休みが取りやすい体制をずっと取っていたのです。ですから、急遽その間の仕事を全てどたキャンして、初ツアーの仕事を受けたのです。正直、「招待旅行」というのは自分の想定外でした。

海外旅行は50回以上のベテランの私もお金をもらって海外に行くのは初めてです。お金をもらわなくても、無料で海外に行ったのも二度だけです。一度は、20年以上も前に高校留学のAFSのボランティアとして、シンガポールへタイ人と日本人の高校留学生の現地での飛行機の乗り換えの世話と、最終的に日本人と一緒に帰国した仕事でした。二度目はつい最近、メディカル・ツアーの視察のため、マレーシア観光局の招待でクアラルンプールへ行って来ました。

その会社は大分では結構有名な中小企業でした。仕事上のお得意様に案内を出しているようでした。福岡市在住の私にとって、ちょうどいいことに福岡空港が起点のツアーでした。大手の旅行会社に委託しているので、私の分の手配も簡単でした。面白いことに、ホテルでは添乗員と同室でした。添乗員をやってもいいくらい旅行好きの私にとっては、むしろ歓迎でした。行き先は中国本土で、私にとっては初めてです。香港、澳門(マカオ)には行ったことがありますが、気楽に貧乏旅行ができる普通の国ではない中国本土にはあまり興味がありませんでした。しかも、中華料理はそれなりにはおいしいとは思いますが、シンガポールやマレーシアはもちろん、世界中のチャイナタウンで、ちょこちょこ食べているのであまり執着心はありませんでした。イタリア料理ほどの執着心はありません。でも、何となく初仕事は中国本土になるような予感がしていました。まさか当たるとは思いませんでしたが。

【まずは洛陽へ】
福岡空港では、出発前に招待客同士と招待会社の社員の自己紹介があり、私は最後に同行する医者であると自己紹介しました。招待客には、中小企業の社長さんもだいぶいました。ですから、そんなに高齢者はいません。全部で30人程度です。今回は、行き先が中国なので前もって添乗員経由で、自己紹介と下痢の予防についてのパンフレットを全員に送っていました。福岡空港からは中国東方航空で上海浦東国際空港へたったの1時間半で着きました。頭ではわかっていたものの、羽田空港までの距離です。近いです。時差も1時間のみ。空港のレストランで最初の食事を取りましたが、せっかく医者の私が同行しているので、意図的に医学的な雑談をしました。下戸の私でも知ってる青島ビールで乾杯した昼食後、バスで国内線専用の上海虹橋空港へ移動し、今度は中国南方航空で鄭州へ。ところが、台風のせいか雨、風がひどく機内で延々と待たされました。予定より3時間ほど遅れてようやく鄭州空港へ着きましたが、それからバスで2時間かけてようやく洛陽のホテルへ着きました。現地のバスガイドはかなり日本語が上手なのですが、男の先生に日本語を習ったのか、「〜けれども、」という口癖が印象的でした。

ホテルのレストランでは、早速のウェルカムパーティです。音楽演奏付きです。決められた席で隣の人の名前を読んでいたら知り合いの名前と一字違いで面白いなどとのんきに構えていたら、よく考えたら会社名の名字の社長さんでした。少し話しをしてから気づき、ちょっとあせりました。社長さんは一足先に現地に来ていたのでした。でも、なかなかユーモアもありそうで第一印象からいい感じでした。

その後、二次会のカラオケの部屋に移動しましたが、若い中国人ホステスが何人もつくものの、彼女等は日本語もできないし、英語もできない。だから私は中国本土にあまり興味がなかったのです。片言の英語も通じない、稀な国です。携帯電話が鳴り、社長さんから「本部」に集合ということで別室に呼ばれ、日本語のできる中国人の女性社員2人と男性社員1人と社長さんとで楽しく会話しました。

翌朝は、ホテルの目の前にある巨大な公園、牡丹公園を散策しました。この洛陽の町は牡丹で有名とガイドさんから聞いています。さすが中国です。朝から、太極拳をやっている人がたくさんいます。一部、バドミントンをしている人々もいます。後で、ガイドから社交ダンスを踊っている人々もいると聞き、翌朝確認すると確かにいました。仕事とはいえ、今回はツアーですので私の好きな気ままな時間はあまりありません。朝の散歩は貴重な時間です。少し歩き回ると普段だと気になる庶民的な食堂があります。いつものように物価チェックです。麺類が3〜5元(1元は約17円)で、隣のパン屋さんで一個2〜3元で菓子パンを売っています。安心しました。というのも、上海国際空港では、いくら空港とは言え、コーヒーが一杯40元と書いていてビックリしたからです。やはり、中国の物価はこんなもんでしょう。ついでに、紛らわしいのは中国語で「元」のことを Yuan と書くらしく、略して \、つまり日本の「円」と同じ略号なのです。何の略かわかりませんが RMB とも表記するようです。

近くに洛陽牡丹女子医院と大きく書いたビルが見えます。病院だと思います。中国人に聞くと、必ずしも産婦人科だけではなく、患者が女性専門の病院のようです。バスで移動中に、整形外科、形成皮膚科と書いた女子医院もあり、何となく納得しました。ちなみに、男子医院という看板もあり、性病とも書いてあり、泌尿器科医の私には複雑な心境ですが、男性患者専用の病院もあるようです。

【洛陽観光】
さすがにツアーですので、移動は全てバスで、しかも現地のガイド付きです。個人旅行の多い私にとっては新鮮です。大きなバス2台に分乗しているので、ゆったりしています。しかも、社長さんの配慮で乗る度に軟水のエビアンのミネラルウォーターのペットボトルが配られます。本当かどうか定かではありませんが、この国ではペットボトル入りの水等でも、注射器で生水を入れたりするので油断できないそうです。しかも社長さんは軟水と硬水の区別もよく知っていて、日本人には下痢しやすいカルシウムやマグネシウムの多い硬水は避けているのでした。ツアーというのは、私のように好きな所へ好きな時間に行けないのですが、決まった所に連れて行ってもらえて、食べるところも決まっているので、楽といえば楽です。でも、やはり団体行動なので私の感覚では無駄な時間も多いです。

バスは山の麓へ向かい、いつのまにかテレビや映画でよく見るような少林寺拳法をやっている子供たちがたくさんいる学校を通過しました。おそろいの服(制服?)を着ています。いかにも中国の光景です。本来は空気も相当きれいなはずのこんな山の麓でも、残念ながらスモッグで視界はあまりよくありません。喉が痛くなるマカオほどひどくはありませんが。バスの中では、前日の中華料理がうなぎかへびかで盛り上がりました。日本人の我々がへびだろうと言っても、何故か中国人のガイドや中国人の会社の参加者はうなぎだと言い張るのです。まぁ、鳩だのカタツムリだのさすがに色々な食材が提供されました。中国では、鳩は食べ物らしく誰かが指摘していましたが、どこに行っても鳩が集まって来るのを見かけませんでした。恐るべし、中国!

昼食は少林寺での精進料理でした。これは、日本の京都のような大豆等を上手に料理し、見た目も味も本物の肉や魚のような繊細な料理と違い、いかにも中国で imitation という言葉がぴったりのしろものです。しかも大しておいしくもない。その後、中国最初の仏教寺院とやらの白馬寺へ連れていかれました。日本の寺と大して変わりませんが、線香が値段に応じて馬鹿でかいのにはビックリしました。途中で一人が私の所へやって来て、頭痛がするというので準備してあった鎮痛剤を渡しました。

夕食はすぐ目の前の牡丹城ホテルでの広東料理ですが、中国の交通事情で、歩くと危険ということでバスでの移動です。ホテルの横文字の名前が peony で、ここの名物の牡丹の英単語を何故かここ中国で学習しました。昨日と同じ音楽隊だけでなく、今晩は舞踊団も来ていました。いつの時代のか、中国にしてはへそ出しルックの舞踊もありました。まだ2日目ですが、脂っこい中華料理が続くので会社が準備した日本から持ってきたソーメンが食卓に出ました。大好評でした。下戸の私には関係ありませんが、社長さんの気遣いで日本からたくさんの焼酎や日本酒も持って来ていました。私は添乗員と同じ部屋ですが、彼は毎晩打ち合わせらしく遅くまで部屋に帰って来ないので、気にせず先に寝ていました。朝も早いし、やはり添乗員は大変なようです。私は添乗員ができるくらい旅行が好きで旅慣れていますが、実際に添乗員をするのはしんどそうです。

3日目は午前中に三国志の関羽の首がある関林堂を訪れ、中国三大石窟の一つ、龍門石窟(世界遺産)を見学しました。一人、胃が痛いという人がいて、薬を渡しました。ところが、肝心の私自身の下腹がおかしいのです。痛みまではないですが、下腹がぢかぢかして明らかにおかしい。便も下痢まではいかないものの、軟便で少し近い。今回は、接待ツアーに同行しているので私としてはいつも以上に変なものは何も食べていないのに、軽い細菌性腸炎のようです。慌てて、患者(お客?)さん用に準備したビオフェルミンとパンラクミンの2種類の乳酸菌製剤を一日三回飲み始めました。おかげで何とか本格的な下痢は免れました。恐るべし、中国!

今回のツアーは、社長さんらが下見までしているらしく、悪名高いトイレも全て水洗トイレでした。それでも、トイレットペーパーがないところや、昔懐かし仕切りのない立小便トイレもあり、水圧が低くて流れが悪いらしく、トイレットペーパーやティッシューはくず入れに捨てるようになっていたりしました。尿や便を拭いた紙を捨てるくず入れがあるのです。男女共同のトイレでは、血の付いたナプキンまでむき出しで捨てていました。さすが、中国人女性は上品です。紙を準備していなかった私は他人からティッシューをもらいトイレに駆け込みました。

この日の昼食は洛陽料理ということでしたが、今一つでした。でも、今回も会社の準備したお茶漬けや、梅干が好評でした。梅干は味覚的に口がすっきりするし、下痢の予防にもなります。

【大都会、上海へ】
来る時と違って、時間的にちょうどいいフライトがあるようで、洛陽市内の空港から直接、上海虹橋空港へ行きました。私は世界中の空港へ行きましたが、この洛陽空港は記録的に小さな空港で印象的でした。空港の駐車場があまりに小さく、一つのちょっとしたビルの規模です。フライトも一日に数便のようです。もちろん、目の前の飛行機までは地上を歩いて行きます。上海でのホテルは花園飯店ですが、英語名 Okura Garden Hotel でわかるように、日系のオークラホテルです。テレビではNHKの国際放送も見れます。ここでは、さすがにバスでなく歩いて近くの錦江飯店へ行き、夕食に上海料理を食べました。さすがに上海は都会で信号もあり、交通ルールが守られているようです。ここでも、二人の二胡奏者を呼んでいました。気のせいか、都会の上海のこのレストランが一番おいしく感じました。洛陽は田舎料理だからと言う人もいました。

翌朝は、ゴルフ組と市内観光組に分かれました。私は、数が多い市内観光組に同行し、豫園、外灘(ワイタン)、そしてオープンしたばかりの百一階立ての森ビル、正式名は上海環球金融中心の展望台へ登りました。悪趣味なことに、展望台の一部は床がガラス張りで下が見えます。恐いです。ビルの形はまるで栓抜きのようで、あまり好きではありません。隣の昔からあるテレビ塔のほうが、途中が二ヶ所球状のタワーで絵になると思います。昼食は豫園の有名な小篭包の店、ディンタイフォンで食べましたが、私にはそんなにおいしいとは思えませんでした。バスの中で、降圧剤を内服中の人に頼まれ、血圧を測ると本人の自覚通り、93/55 とやや低めで下がり過ぎのようでした。すると、連鎖反応で計ってくれという人が現れます。一人は 154/90 と高血圧でした。もう一人は、114/54 と正常でした。

一端、ホテルへ戻りゴルフ組みと合流して夕食の「さよならパーティ」へ四川料理を食べに行きました。最後の夕食ですが最高でした。元々、私は中華料理の中では辛い四川料理が一番好きです。ここの激辛の麻腐豆腐はシビレながらおいしかったです。この日は音楽演奏こそなかったものの、最後に道化師が現れ、覆面の表情の早変わりの芸を見せて楽しませてくれました。この日の招待客の挨拶で、こんなに楽しい旅行は初めてだと感謝していました。そして、ソーメンやお茶漬け、ペットボトルの手配、はたまたお医者さんまで同行するという社長さんの気配りに感激していました。

その後、有名な上海の夜景を見にナイトクルーズへ昼間行った外灘の黄浦江(ファンプゥジャン)へ行きました。夜景でも、森ビルよりテレビ塔のほうが照明もきれいでした。酔った勢いであるお客さんから、先生はドクターでも薮医者じゃろうと言われました。別に気にはしませんが、さすがに自分で「空飛ぶ薮医者」と名乗るのもなぁ、などと考えていると、「空飛ぶ町医者」のほうが自分のイメージに近いかなと思えてきました。ツアーの短期間とはいえ、病気に限らず普段から接していて、いざとなったら診察する、そんなイメージです。

その帰りバスに乗ろうとすると、気分の悪い人がいるということで、慌ててもう一台のバスへ行きました。顔色が悪いので急いで血圧を測ると正常でしたので、近くの席で様子を見ていました。幸い、バスがホテルに着く頃には気分も良くなり、顔色も良くなっていました。本人はたばこを吸いたいくらい元気になったと言うので、たばこは止めときなさいと言おうとしたら、すでに吸っています。不良患者です!でも、仕方がないので黙っていました。世の中、こんなもんです。

翌朝は、バスで駅へ移動しリニアモーターカーに乗ると、10分もかからずに浦東空港へ着きました。本当は430kmくらいのスピードが出るらしいのですが、朝は何故か最高速度を300km程度に抑えているようです。こうして初めての医者としての添乗旅行の仕事は無事に終わりました。ほどよい患者が出て少しは役に立ったと思います。

後日談ですが、今回は豪華ツアーに同行したので私自身常にご馳走を食べ、帰国すると5日間で3kgも体重が増加していました。いつもなら、それでも1〜2週間ですぐに元に戻るのですが、中華の油が強烈なのか中々元に戻らず、本格的に食事制限してようやく1ヵ月後に元に戻しました。やはり、中国は普通の国ではないようです。



(「機内にお医者さんはいませんか?」空飛ぶドクターの海外旅  行と健康管理、悠飛社、1,470円  好評発売中!)

【旅行時期】2008/09/15~2008/09/19
【エリア】上海
【テーマ】世界遺産・遺跡・秘境
【投稿者】空飛ぶドクター

白骨温泉 乳白色の湯 信州Part4(by ばばろあさん)

カルシウム
白骨温泉は
乗鞍岳の麓にある、炭酸水素塩温泉。
白船・白骨の名があったが、大正時代に中里介山「大菩薩峠」に登場してから白骨温泉で統一されたらしい。
湯の成分の石灰質で溶けた湯船や石が人の骨のように見えたからともいわれている。

宿泊した旅館には2つの源泉があり、硫化水素を含んでいるので、皮膚を丈夫にし、炭酸カルシウムが美肌効果を促進するらしい。
美肌効果って、女性の味方。

こちらでは、とても水が美味しいと思っていたら、
全部150年ほど前の「伏流水」だと、仲居さんが教えてくれた。
すごい、150年か‥。

【旅行時期】2008/07/26~2008/07/27
【エリア】白骨温泉
【テーマ】温泉・エステ・癒し
【投稿者】ばばろあ

タイ北部旅行(4)ホテルでの朝食。(by ちゃおさん)

カルシウム
インド人経営だけあって、英国流のB & B (Bed with Breakfast) の伝統を引き継ぎ、こんな安ホテルでもフロント横にはちゃんとした食堂もあり、一応は朝食もついている。


しかしそれはまさに英国風のトーストに目玉焼き(ハムエッグではない)、コーヒーがついた程度のあっさりしたもので、タイ上陸の最初の朝食としては相応しくない。


そこで早速部屋でサンダルに履き替え、近所の食堂に出向く。料理の名前が分からず、物を見て指で指し示し、お皿に盛ってもらうしか方法はないが、出ている食材を聞くと、朝からかなり豊富である。


ちなみに、หมูผัดขิง、ムーパットクン、ムーは豚肉。豚肉にシメジを混ぜて炒めたようなもので、いかにも食欲がそそられる。 


次に、ผัดหอย、パット・ホーイ、貝の炒め物だが、ここは下町、同じ貝(ホーイ)でも、牡蠣とかの上等なものではなくカラス貝のような黒い殻の貝を使用している。   


それからปลาผัดผโก、プラー・パットポーコー、良く分からないが、子魚(プラー)を揚げたもの。カルシウムたっぷりのようだ。


皆それぞれ美味しそうで、少しづつ混ぜ合わせて頂くことにする。これだけ食べても35バーツ、水が10バーツだから、合計でも150円もしない。


タイ人は朝からこんな栄養満点の食事を摂っているから、いつもあんなに元気なのだろう。


よし、当方もここで栄養をつけ、これから街へ出陣だ!

【旅行時期】2007/12/26~2008/01/09
【エリア】バンコク
【テーマ】ダイビング
【投稿者】ちゃお

ベニスでのヨーロッパ旅行医学会(by 空飛ぶドクターさん)

カルシウム
2006年(平成18年)3月22日から6日間、学会に参加のためベニスへ行って来ました。この2年間で3回目の成田〜ミラノ線(日本航空または共同便のアリタリア航空)で、今回も2年前と同じく特典航空券で無料です。3ヶ月前にナポリ、パレルモに行って来たばかりで、またしてもイタリアですので、最近イタリアにはまっている私はルンルンでした。ミラノからベニスまでは列車で約3時間です。

ベニスには2、3回行ったことがありますが、最後に行ったのは新婚旅行でもう20年以上も前です。ベニスはいつもあちこちヨーロッパを回る時の途中でした。列車を中心に考えると、例えば、スイスのチューリッヒ〜ミラノ〜ベニス〜オーストリアのザルツブルグとなります。今回は1等車を予約してあるので問題ありませんが、初めてユーレイルパス(もちろん2等車で自由席)でベニスへ行った時に、周りのアメリカ人がパニックになって騒ぎだしたのが懐かしい想い出です。結論から言うと、ベニス(イタリア名はベネチア)駅は二つあって、Venezia Mestre と Venezia Santa Lucia の二つがあり、前者で降りると手前で降ろされてしまいます。いわゆるベニスは小さな島で終点のサンタ・ルチア駅です。2等の自由席だと一部は切り離されてメストレ駅で降ろされてしまうのです。私もアメリカ人のおかげで無事に車両を移動してすんなりと目的地へ着けました。お金を払うミネラルウォーターの代わりに、水道水をタダで頼む時は「tap(ping) water」と言えばいいと、知り合ったアメリカ人が教えてくれたのもここベニスでした。硬水(カルシウム分が多いだけで無菌)で少量なら飲んでも下痢しません。でも、硬水に慣れない日本人が沢山飲むと下痢することもあり、旅行者下痢症の原因の一つです。

今回の学会は、第5回ヨーロッパ旅行医学会と言って、今の私にとってビジネスに直接結びつく大事な学会です。会長は、イタリア人のパッシーニ先生で、毎年日本旅行医学会に招待されているので、顔見知りです。彼は、以前はローマにいましたが、今はベニスの南で同じくアドリア海に面したリミニの温泉でタラッソセラピーの医者をしているようです。WHOとも関係しており、政治的にも大物のようです。

2年前のフィレンツェの学会場も旧要塞ですごかったですが、今回も学会場にまずびっくり。スクォーラ・グランデ・サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタと舌を噛みそうな名前の場所で、scuola(スクォーラ)は school の意味もありますが、キリスト教信者の集会所で、ここも普段は観光地らしくガイドブックに書かれているくらいです。壁には宗教画が飾ってあり、天井にも宗教画が描かれており、前方にはキリスト像もあります。イタリアの学会では、いつもロケーションに圧倒されます。こういうセッティングで英語で演題を聞いていると不思議な気分がします。

初めての海外での旅行医学会ですが、日本の学会と同じく幅広い領域を網羅しています。元々の分野である感染症は今でも重要で、エイズからA,B,C型肝炎、鳥インフルエンザ、マラリア、コレラ、デング熱等々、日本では余り馴染みのない感染症の話題が沢山あります。WHOと学会自体が提携してるようで、WHOの関係者も多くいましたし、アメリカのアトランタにあるCDC(Centers for Disease Control and Prevention: 米国立疾病予防対策センターの関係者もいました。津波、地震などの災害医学やキリマンジャロ登山などの探検医学もあり、移民の健康問題もあり、ここヨーロッパとアフリカとの密接な関係も感じます。

各国の旅行医学の発表も興味あり、個人的には年末に行ったばかりのハンガリーの旅行医学が興味ありました。寒いのに山がなくスキー場が国内にないのに多くのスキーヤーがいることや、海もないのに多くのダイバーがいるという話でした。2004年にEUには加盟したものの通貨の統合はまだです。社会主義から西側諸国に加盟したせいかどうか性産業も盛んだそうです。どうりで、ブダペストのホテルでもらった市内地図の広告に「エスコート」サービスの宣伝があった理由が納得できました。残念ながら、私は子連れでした!

ロングフライト血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)やそれと関係する心・血管系の予防の話しや糖尿病患者、特にインスリン注射患者の旅行に関する話題など、実用的な話題も豊富です。そして、救急医療が現在では一番重要で、日本でも強調されるように、旅先での脳卒中、心筋梗塞が旅行中の死因のトップです。従って、日本の学会では中高年の旅行者には英文の診断書を携帯するように啓蒙し、少しでも体調の変化、異変を感じたらすぐに現地で救急車を呼ぶように指導しています。一般に心配されている言葉の壁はこれでかなり克服できますし、医者が知りたいのは、よく誤解されているようにどのような痛みかを説明されることではなく、既往歴やアレルギー歴です。アメリカなどでは、訴訟の心配があるので、アレルギー歴などが分からないとそれだけで診療拒否されます。

一番面白かったのは、アメリカのスポーツ医学の権威の心血管系の健康のための運動の話しで、結論は単純で万歩計を使ったりして一日8千歩を目標に早歩きをすれば、明らかに寿命が延びますが、アメリカ社会がいかに「低運動環境」にあるかを写真を見せ皮肉っていました。犬の散歩にトレッドミルで犬だけを走らせ、リードで繋いで散歩をするのに自分は車で歩きもしない。また、フィットネスセンターの入り口にわざわざ立派なエスカレーターがついているなどです。

ポスターセッションからは1題だけ紹介します。アメリカの Godfrey から貴重な問題提起がありました。「機内にお医者さんがいましたら、客室乗務員にご連絡下さい」。飛行機が普及して国際化の進む現在、多くの医師が直面し、躊躇する問題だと思われます。聴診器もない、心電図もとれないのにどんな患者さんなのか?どの位の時間拘束されるのか?パイロットに聞かれた時に、飛行を続けていいのかそれとも近くの空港へ緊急着陸をすべきかの判断を委ねられるのか?自分の専門領域で対処できるのか?機内にはどんな医療機器や薬があるのか?「報酬」は期待できるのか?医師の良心は?道徳的、倫理的問題と同時に無国籍の上空での法的責任問題は?着陸した後もいつまで医師として責任を持たされるのか?多くの疑問がわいてきます。上記の理由により、事実として多くの医師が名乗りでないのです。私の個人的な意見としては、そろそろ学会が航空会社等と正式に話し合う時期が来たと思います。いつまでも医師の良心に依存する業界は無責任だと思いますし、病人にとっても不幸です。

日本からの唯一の発表は、日本旅行医学会専務理事の篠塚先生が日本の学会の実情を発表しました。今回私としては、はるばるベニスまでやってきたかいがあり、この実質日本の学会の創始者の篠塚先生と個人的に親しくなるチャンスを得たことです。2日目の夜は、他の2名の日本人(と言っても、一人はアメリカ・ユタ大学の麻酔科の教授)と計4人で食事をしました。食事の後、9時に学会場に戻り、学会主催のコンサートへ行きました。あのスクォーラの会場で、カーニバルで有名な仮面をつけた5人位の演奏と仮面をつけた男女2名のダンスです。場所といい、目の前で見られることといい、最高のコンサートでした。ここベニスでは、あちこちの教会でこのようなコンサートをやっているようでした。

半日だけ時間を作って(学会をさぼって)、懐かしいサンマルコ広場へ行きました。ベニスの商人で有名な場所で、ベニス最大の観光地でもあります。1720年オープンで、チャールズ・ディッケンズらに愛されたと言うカフェ・フローリアンでウィンナー・コーヒーを飲み、ベニスの島が一望できる鐘楼へエレベータで上りました。ここも思い出があり、横須賀の米海軍病院での研修で知り合った北大の先生にバッタリ会ったことがあります。世界は狭いと思ったものでした。偶然とは恐ろしく、日本国内でも北海道と九州で会うこともないのにと感心したものです。

今回久しぶりにベニスへ行って見つけたうれしい変化は、ここにもカジノができていることです。市営のようです。ただ、ラスベガスに何回も行っている私としてはその小ささにはビックリしました。私の好きなブラックジャックのテーブルがたった二つしか開いてないのです。でも、しっかりイタリア語の勉強ができました。15から21までの数字に強くなります。英語にもなっている「Mamma Mia!」(直訳すれば Oh, My Mother! ですが、Oh, My God! の意味)も何回も使ってみました。大したことはないですが、100ユーロ程勝ちました。

ただ、世界中のカジノでも見たことないルールで、7人しか並べないので、ぶら下がる感じでそれぞれに後2人まで賭けることができるのです。もちろん、座って賭けている先頭の人がもう一枚カードを引くかどうかを決定する権利があり、その他の人はお任せです。最初は責任を感じて、やりにくく調子が出ませんでしたが、しばらくするとこのルールにも慣れてきました。適応力だけは自信があります。ただ、ディーラーのレベルは高くありません。引いたカードを頻回にひっくり返したりするミスがあります。やはりラスベガスが一番です。ラスベガスではこんなミスは皆無です。ここにもドレッシーな美女3人はいましたが、無料のドリンクサービスはありませんでした。

個人的には、カジノ、特にブラックジャック大好きで、ギャンブル性が強く問題になっているらしいパチンコよりはるかに健全だと思います。ここイタリアでも、最低かけ金は5ユーロ(約700円)ですし、ラスベガスでさえ、5ドル(約600円)です。ブラックジャックであれば1万円ちょっともあれば買っても負けても数時間は最低楽しめます。早く、石原知事が頑張って、東京のお台場にカジノができるのを期待しています。

学会の休憩時間には、協賛企業のネスレから派遣された若い女性たちが注いでくれるエスプレッソが飲めます。早速、相手をしてもらって初級イタリア語会話の練習台になってもらいます。もちろん、彼女等は英語ができますので色々な話ができます。3ヶ月前にナポリに行ってピザがおいしかったと言ったら、彼女らもナポリのピザは特別だと認めていました。日本の漫画は有名ですが、一人が「うる星やつら」を知っていると言ったので、それではハローキティを知っているかと聞いたらもちろん知っていました。
 
最終日は大失敗をしました。お互いに予定はないので、篠塚先生と二人だけでもう一晩食事をしながら色々話しをするつもりで楽しみにしていました。午前中の部が終わり、午後はどうでもいいマラリアだけのセッション(2時から3時半まで)なので、ゆっくり昼飯を食べに出ました。珍しい蟹を丸ごと頼んだのが失敗でした。食べるのに時間がかかり、2時半頃会場に戻りました。ところが、様子が変なのです。会場が閉鎖されているのです。かろうじて、入り口近くの学会参加者らしき人が、予定が変更されて午後の部を続けてやりもう学会は終わったと教えてくれました。ガーン!学会はともかく、篠塚先生とはぐれてしまいました。ホテル名は聞いてないし、携帯電話の番号も聞いてないし、いくら狭い島のベニスでも探しようがありません。食意地がはっているのが仇となりました。仕方がないので、この夜は一人で食事をして、またカジノへ行きました。

夜(26日日曜日)、ホテルへ戻り1階(日本で2階)なので、普通なら階段を歩いて上るのに、気まぐれでエレベータに乗りました。これが幸いしました。張り紙があって、明日から solar time なので、1時間早くなると書いています。夏時間は、アメリカ英語では daylight-saving time(省エネ時間)と言いますが、すぐにピンときました。危うく明日の朝の列車に乗り遅れるところでした。アメリカでは、例えば東部夏時間を EDT(Eastern Daylight-saving Time)と略し、山岳標準時間を MST(Mountain Standard Time)と略します。和製英語の summer time にしろ、イタリア英語の solar time にしろ、注意しないと略語が丁度反対になります。Sは誰でも知っているサマーではなく、スタンダード(標準)時間のことで、日本語では冬時間とも訳せます。

翌朝、無事に朝早い列車に乗り、余裕を持ってミラノ中央駅へ着きました。この巨大な駅にも色々な思い出がありますが、サンマルコ広場と同じく、福岡の知人にこの広い駅でバッタリ会ってビックリし、地球の狭さを実感したものです。2年前は修理中だったドゥォーモ(大聖堂)へ行ってみましたが、まだ修理中でした。こちらは歴史的な建物が多く、修理にも気の遠くなるような年月がかかることが多いようです。それから、2年前と同じく飛行場への便のいいミラノ北駅へ移動し、例のトラブルのあったコインロッカーを懐かしく見に行くと、テロのせいか安全上の理由のため閉鎖中と書いていました。

予定通り、ミラノ・マルペンサ空港へ着くとアリタリアのカウンターへ。ところが、やけに人影がありません。手続きをしてくれずにどこかに電話をしています。もう終了したが、急げば間に合うと言うことで、慌てて手荷物検査を受け、スタンプを押してもらうだけの税関を通過し、10分後には搭乗口へ到着しました。日本人の空港職員にあきれた表情で、渋滞で遅れたのですかと聞かれました。幸い、食事も余っているし、手荷物だけだから間に合ったと説明してくれました。後で冷静に考えると、だんだん横着になり、税関とかも簡単なのでギリギリでも間に合うと高をくくっていたので、いくら何でも国際線に搭乗するのに、出発の45分前に空港に着いたのは遅過ぎました。我ながら、運が強いです。でも、結果オーライで無事に飛行機に乗れました。夏時間のことも気まぐれでエレベータに乗らなかったら気がつかなかったはずです。

お陰で、前もって予約していた窓際の席はキャンセルでしたが、席は空いていたので離陸の時は窓際近くの席へ勝手に移動し、3ヶ月前と同じく、眼下のアルプス山脈の雪景色を楽しみました。


*今回の紀行文は少し専門的過ぎたかもしれません。これを読んで、少しでも「旅行医学」に興味を持った人は是非私のウェブサイトをご覧下さい。 
  • http://www.kanoya-travelmedica.com


  • 旅行好きを仕事にするため、「空飛ぶドクター」を目指しています。そんな私が「海外旅行時の健康管理」に関する本を4月21日から出しました。悠飛社(03-5327-6052)坂本泰樹。「機内にお医者さんはいませんか?」空飛ぶドクターの海外旅行と健康管理。


    【旅行時期】2006/03/22~2006/03/27
    【エリア】ベネチア
    【テーマ】出張
    【投稿者】空飛ぶドクター

    2008年 石川県 山中温泉(by takashi_yさん)

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    2008年 石川県 山中温泉
    泉水:カルシウム・ナトリウム−弱硫酸塩泉の柔らかい湯。

    【旅行時期】2008/02/16~2008/02/16
    【エリア】山中温泉
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    カルシウムについて

    ... 國見栄養士が学校へきて給食の時間に、カルシウムについて話をしてくれました。体の中のカルシウムは、 10年ですべてが入れ替わることや糖分でカルシウムが溶けてしまうこと、また、 インスタント食品や冷凍食品もカルシウムによくないことなど話し ...

    カルシウムについて

    カルシウム摂取

    母からお米が届きました その中に一緒にお菓子と手紙が入ってました。 『いわしのカルシウム』 なかなかシブイお菓子を入れてくれるでないか 手紙の内容は家族の話が主で、中に一行だけ 『にぼしでも食べてカルシュームつけな。 ...

    カルシウム摂取

    カルシウムに関するニュース


    大和葡萄酒、ミネラル豊富なワイン 畑に貝殻粉末散布
    日本経済新聞
    カルシウム含有量が通常の甲州種ワインの2倍近いという。「+WA(わ)」と名付け、飲食店向けに4月にも発売する。 貝殻を高温で焼いて粉砕し、ブドウ畑で土壌や葉に散布した。1センチ以下に砕いた貝殻をまくと、ブドウのカルシウム含有量が100グラム当たり5 ...


    森永乳業、200mlサイズでプリズマ容器の果汁飲料「森永 ピーチマミー」など発売
    日本経済新聞 (プレスリリース)
    牛乳由来のミルクカルシウム入りで、日本人に不足しがちなカルシウムを手軽に補えます。 (1)マミーの45周年を記念し、「45周年ロゴマーク」を入れてパッケージをリニューアルしました。お子さまに人気のマミーのキャラクター3種類を採用し、選ぶ楽しさもご提供し ...
    森永乳業、「プラレール」とのコラボ商品「森永マミーキッズ プラレール」など2品種を発売日本経済新聞 (プレスリリース)

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    春待つ畑に幾何学模様 融雪剤散布が本格化
    北海道新聞
    道央地方で、雪に覆われた畑に融雪剤をまく作業が始まっている。 石狩管内当別町では11日に作業が本格化。雪が50~60センチ積もった秋まき小麦や野菜の畑で、炭酸カルシウムなどをまくトラクターが走り回っている。JA北いしかり(当別町)は「積雪は例年並み。 ...


    Techinsight japan

    食物繊維たっぷりの「おから」を使ったバランス栄養食「おからだから」発売 江崎グリコ
    Techinsight japan
    食物繊維をたっぷり含んでいる以外に、5種類のビタミン、鉄、カルシウムを1枚あたり、1日に必要な量1/6を含んでいる。 忙しい時の食事代わりや、職場で小腹がすいた時のおやつなどにオススメとなっている。 江崎グリコでは、「おいしさと健康」の企業理念のもと、消費者の ...
    グリコ独自の技術でしっとりとした食感に仕上げました日本経済新聞 (プレスリリース)

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    曙“もぉ~”烈アピール!「紅白出る」
    サンケイスポーツ
    人気モデルの小森純(24)が22日、「ファンタ」ブランド初のカルシウム入り乳性炭酸飲料「ファンタ もぉ~もぉ~ホワイト」(日本コカ・コーラ)をPRするため、東京・バーガーキング(R)渋谷センター街店とコラボし、同店の“1日ギャル店長”を務めた。 ...
    元横綱・曙太郎がバンド結成で目指せ紅白?!「Fanta」新フレーバーCM登場navicon [ナビコン]
    曙太郎豪快プラン!CMバンドで真剣練習「目指せ紅白」日テレNEWS24

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